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鍛えられたものの方が美しいのよ、なんでもね。

2006.11.20 (Mon)
ちょうど去年の今頃は、
体中を覆うひどい湿疹に苦しんだ。
とにかく痒い。そして、醜い。
顔は腫れあがり、ひどい時にはまぶたの裏までビッシリ湿疹ができていた。

いつか治るのだろうか?それが駄目なら、せめて…
いつか痒みは止まるのだろうか?それも駄目なら、せめて…
いつか慣れることができるのだろうか?
…それだけ私は強くなれるのだろうか?
際限のない疑問も、よけい私を苦しめた。

そんな日々の中、近くの食材店で買い物をしていたら、
50歳くらいの様子の良い女性と、ふと目があった。
旅人のようだった。

この島に来る旅人のほとんどは、太平洋を渡る豪華客船のお客様。
島で船が燃料補給をする数時間を、ツツイラ島の観光にあてているようだ。

身ぎれいなご婦人だったので、
私は自分の湿疹だらけの顔を恥じ、目をそらす…と、

「それ、治るわよ、私、もっとひどかったんだから」
と言いながら、彼女は肩に手を置いてくれた。
暖かい手のひらだった。

私は泣きそうな顔をしていたのかもしれない。

彼女は優しく、自分の経験を教えてくれた。
以前、火傷事故に遭い、治療途中で皮膚トラブルに見舞われてから、
何をしてもダメだったこと。

それでも辛抱強く手入れを続けているうちに、
薄皮をはぐように美しい肌に戻っていったこと。

そして彼女の火傷事故から10年後の今の皮膚が、
同年代の人と比べても、ものすごく美しいのに驚くほどだ、と教えてくれた。

そうして、
「ただ美しいよりも、鍛えられた方が美しいのよ、何でもね」
と、えんぜんと笑ってくれて…

私は、ひどく納得したのと同時に、勇気付けられた。

…あれから一年。
多少の傷跡はあるものの、私の皮膚は無事に回復してくれた。
あの痒みはもう、安堵のため息をつきながら、の、遠い記憶だ。

この傷跡は、でも、
あのときのつらい思い、苦しい時にこそ気づける大切な教え…
調子の良いときは忘れてしまって結局つまづく、
大事な教えをいつも思い出させてくれる、とても良くできたリマインダーだ。

「ただ美しいよりも、鍛えられた方が美しいのよ、何でもね」

ああ、この言葉。
とても大きな支えであった。きっと、これからも。

…そしてどこかで苦しむ誰かの支えやヒントになったら、うれしいな。


Misako(C)Honolulu, Hawaii 2006
厳しい自然に身をよじりながらも空を目指して育つ木の枝ぶりは、なんとも言えず美しい。

Note: 2013年、南の島の思い出本を出版しました。(電子出版)
『リリのアメリカンサモア日記』
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コメント
 
ええ、いま、わたしの心にもするりと入ってきてくれましたょ。
『ただ美しいよりも、鍛えられた方が美しいのよ、何でもね』
なんて強い、言葉でしょう。
新しい道を歩いていこうとしている、私の子ども達と私に、ちょうど、プレゼントされたようなうれしい気持ちです(=^-^=)

いま、もう2008年の3月です♪♪♪♪
今頃、読みました・・
これもきっと何かの導きなのでしょう。
 
ひとみgo!@happy | 2008.03.11 10:06 | 編集
えみママ様、遊びに来てくださってありがとうございます!
はじめまして♪実はえみママ様のレシピで、舌のホームシックを目で癒しておりました。エヘヘ
私は弱虫なので七転八倒しがちなんですが、その分素敵な出会いも多いので、私が助けてもらったメッセージをお伝えできるのが何よりも嬉しいです。
また遊びにいかせていただきますね!
水砂子 | 2006.12.12 13:10 | 編集
素敵な写真そしてコラムですね。
あっ、ご挨拶が遅れました。
履歴から飛んできました。えみママです。
水砂子さん、はじめまして(*^_^*)

とても素敵なサイトですね。
色々とコラム・写真を拝見させていただきました。
特にこの記事の“鍛えられた方がなんでも美しい”の言葉が胸にしみました。
鍛えられて・・・美しくなる。
私もその言葉を励みに辛い出来事も美しくなる(幸せになる)ためと思って
これから私におこる出来事
全てを受け止め頑張ろうと思います。
えみママ | 2006.12.10 18:35 | 編集
海山人さま、暖かいお心ありがとうございます。
原因は、しっかりとは確定できていないのですが、
いろんな南の島の虫に刺されすぎて、体が何もかもに過剰反応していたようです。
心細かったですー(涙)でも、ええ、本当に海山人さまのおっしゃるとおり、こういうときこそ、素敵な出会いが用意されているようで、
…人生、捨てたもんじゃないんですよね。
ありがとうございます♪
水砂子 | 2006.11.26 03:06 | 編集
私も、仕事で左腕を火傷したことがあります。
数年経って、分からないくらいに成りました。
湿疹の原因は、食べ物?植物接触によるカブレ?
なのかな、、、他国でのトラブルは心細い

そんな中、素晴らしい出会いがあって…
人生、捨てたもんじゃないね。。。
海山人 | 2006.11.25 04:16 | 編集
桃組さま、ありがとうございますー!
本当に苦しくて、実は弱虫な私は「皮膚ごとき」とは思えず、一人でたくさん泣きましたァ…。ご心配いただき、ありがとうございました!!

傷痕というのは、感謝の対象でもありうるんですよね。それで命を落とすことがなかったという証拠ですもんね。
それにしても、摘出した腫瘍が良性でよかったです…!!!
水砂子 | 2006.11.24 13:29 | 編集
こもれびさん、ありがとうございます!
もう、過ぎたことだからこそ「泣きごと」が言えるのですが、ええ、心底、辛かったですう~(号泣)。
…と、過去のこととして泣ける有難さを噛みしめています。
>体の傷も心の傷も傷跡は残るけれど、塞がれたところは強くなる
これもまた、素敵な表現!!
ありがとうございます!
水砂子 | 2006.11.24 13:24 | 編集
kounitさま、ありがとうございます!
山々が雪に閉ざされると、静かな静かな冬の日々ですね。
雪の中…湿っているけれど冷たくて清冽な空気、ぬくまった部屋、温かい飲み物をそばにデスクワーク…探求の旅にはもってこいですね!
お風邪だけには気をつけて、また冬の様子もお伝えいただければうれしいデス!
水砂子 | 2006.11.24 13:19 | 編集
たとえ傷ついても、失敗しても、それで終わりじゃないんだなあって思える言葉が心にあると、大きな支えになるんですよね。

嗚呼、懐かしい、オーストラリアの巨木たち!巨木が多いところって、気持ちいい~。
水砂子 | 2006.11.24 13:06 | 編集
zazenさま、ありがとうございます。
お忙しいようでいらっしゃいますね!
こんなときこそ、どうぞ、ご自愛くださいますように…。
ご心配いただき、ありがとうございました。
皆様の暖かい心が、治癒力の後押しをしてくださったように思っています。
ありがとうございます!
水砂子 | 2006.11.24 12:46 | 編集
次男が生まれた時胸に痼りがあってそれを摘出しました。
細胞検査の結果良性の腫瘍だったけど、その時の胸の傷は今も生きている事を感謝出来る印だと思っています。
遠い地でとてもつらそうだったよね。
治って本当に良かったです。
桃組 | 2006.11.23 07:17 | 編集
男でも相当のショックだから、女の人は人生が終わりと思えるような(いいたとえが浮かばなくてすみません)気持ちだったんでしょうね。
体の傷も心の傷も傷跡は残るけれど、塞がれたところは強くなるんですよね。
こもれび | 2006.11.23 06:49 | 編集
常夏の島からのお便りうれしく拝見しました。今朝は小雨が降る、昨日とはうってかわった寒い朝です。新潟の陰鬱な長い冬の始まりです。負け惜しみでありませんが、デスクワークに最適な時期でもあります。どうぞ、お元気で。ブログで暖かい南洋の風のように心地よい文章を拝読することを楽しみにしております。
kounit | 2006.11.22 16:02 | 編集
そういう言葉をかけることができる人間にになりたいですね。いい言葉だなあ。その人が乗り越えてきたものの重みを感じます。これも何かのご縁ですね♪

それにしても、ステキな木ですね。こういう大きい木、うちのまわりもありますが、大好きです。
kazraasch | 2006.11.21 20:58 | 編集
「ただ美しいよりも、鍛えられた方が美しいのよ、何でもね」。
 とても力付けられる良い言葉です。
 私は今、自分が自由に使える時間が、一日約四時間ほどしかないことを何とか工夫して効果的に使わなければなければならい、という苦しみ?、を味わう程度ですが、それでも身にしみる言葉です。
 良い言葉と体験談を、ありがとうございました。いつものことながら心から感謝します。
 それにしましても、湿疹が治って本当に良かったですね。これも水砂子さんの素晴らしい気力によるものと思います。秘かに私も心配していました。

 乱文にて失礼しました。お許しください。
zazen256 | 2006.11.21 10:49 | 編集
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