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誕生日

2014.08.01 (Fri)
7月が終わった。
私はこれで、母親が地球で過ごした年齢を上まってしまった。

私の中の母親は、今でも、あの日のまま。

いつも、たおやかに笑っていた母
山や清流への道を探しては連れていってくれた母
人のことばかり心配して、人の世話ばかりして、
いつでも笑顔で、感謝の言葉ばかりを連ねて
文句のひとつも言わずに旅立ってしまった、優しい人。

熱に浮かされた最後の言葉でさえ、
私の好物の飲み物が冷蔵庫に入っているからね、と念を押す一言だった。

当時、不運の轍に組み敷かれた感じであえぐ我が家は、
冷蔵庫なんて贅沢品はなかったのだが

…母は家族の世話を楽しんでいた頃の夢を見ながら、私に
最後の「ありがとう」を言うチャンスをくれた。

私はこれから、母親よりも老いていくのか…と思うと
お手本のない明日をつきつけられるようで怖くなる。

閉ざされた扉の向こうを考えるのは愚かなことかもしれないが
…伝え切れなかったありがとうの数を思えば、ぞっとする。

お別れのころ、私はいかにもワガママな思春期の娘だったので
一度でいいから、ちゃんと「ごめんなさい」を言いたかった。

きっと、いつものように、
「いいのよ、みさちゃん。だいじょうぶ。わかってるよ」と、
優しく言ってくれたのだろうか…と、今も母に甘えている。

ああ。
母が授けてくれた命が、母の年齢を超えてしまった。

まだまだ、これから…と思っている自分と
この年齢を祝うことのできなかった母親と

なんだか心の中がざわついて
上手く言葉に編み上がらず

7月は、気がつけば山に入っている時間が長かった。

山奥やせせらぎの音を愛していた母の心を、
聞きそびれた物語や愛の深さを
少しだけも分かれば良いな、などと祈りながら

母の面影を求めて、おろおろと山を歩きまわり
山頂につくたびに、いいそびれた「ありがとう」の数々を空に放って

少しでも母に近づきたくて
母の後を追うことばかり考えていた、父の悲しみを考えて

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雪解け水

2014.05.25 (Sun)
数年前に近くの川が流れを変えて、車道の一部を流してしまってから
「隠れ名瀑」となっている山奥の滝まで、5月の散歩。

滝まで往復18キロの道のりは「散歩」というには長いけれども
元々は車道だった部分も多く残っているので
山登り、とはまた、少し違う趣の旅路です。

水音に空を見上げると、見事な滝。
雪解け水の豊富なこの時期、岩肌は濡れて陽光に輝き、
「妖艶」という言葉を思い出すような、不思議な感覚に飲み込まれました。

車が入れなくなり、同時に週末ごとに沢歩きをしていた人々の足も遠退き、
かつては賑わっていたという滝の先の元キャンプ場は、
もうすぐ森に飲み込まれていきそうでした。
山道もしかり。

鹿の足あと、ボブキャットやコヨーテが仕留めたであろう獲物の残骸、
茂みの影からこちらを見つめる野うさぎの、茶色い瞳。
花をつけはじめた野草の香りが空気に漂い、空では野鳥たちが声を競って歌っています。

人が入りにくくなった山道というのは、
自らも緑色に染まってしまいたい…と願うように歩く旅人には、
どこまでも優しい存在です。


***皆様の毎日がすてきな日々でありますように***
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巨大な岩で形成されている山々の頂から、
清冽な雪解け水が降り注いで来ます。
夜には、銀河が落ちてくるほどの闇なのでしょうね。

空と海

2014.03.04 (Tue)
こんなに壮大な景色の中に
生を受ける、ということの奇跡についてフと思う
「既にそこにあること」と、それに「自分が気づくこと」とは別物だなあ、と
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午後の太陽を受けてシャンペン色になる太平洋上の雲。影が伸びてきました。

*****皆さまの毎日がすてきな日々でありますように*****

言いそびれたありがとう

2014.02.09 (Sun)
母が亡くなってから、33年目の冬

高台から山脈を見つめていたら
幼い私を連れて、よく山や渓谷へ連れて行ってくれた母と
母が好きだった詩を、ふと思い出した。

山のあなた
カール・ブッセ 上田敏訳

山のあなたの空遠く
「幸」住むと人のいふ
ああ、われひとと尋めゆきて
涙さしぐみ、かへりきぬ
山のあなたになほ遠く
「幸」住むと人のいふ

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私が山登りを愛するのは、
幼いころから山に連れて行ってくれた母親の影響なのだなあ。

母親へお礼を言いそびれていたことがらを、
33年もたっているというのに、
未だに、しょっちゅう発見してしまう。

きっと、これからも
きっと、一生

言いそびれた「ありがとう」の多さに
改めて驚き続けて、その度に、こんなふうにオロオロするのだろうな、と思いつつも……

人生は、宝物だ。

2013.12.24 (Tue)
氷点下の朝。
空も山もせせらぎも、
どこまでも澄み渡って、
なんとなくご機嫌だ。
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まったくもって、どこまでも美しいのだ、この星は。

2013.12.16 (Mon)
大人気、大渋滞のイエローストーン国立公園を脱け出し、
おとなりのグランドティートン国立公園へ移動した夏の思い出。

次はこちらの静かな公園にテントを構えて、
のんびり湖畔を歩くような楽しみ方をしたいものだ。
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命を謳歌している、という使い古された表現も爽やかに聞こえてしまうような、夏の一枚。

夏山の思い出

2013.12.16 (Mon)
短い夏、木漏れ日を受けてきらめく清流。
自分の小ささ…
存在も、悩みも小さいものなのだ、と思い出させてくれる山歩きが大好きだ。
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空と水の深さ

2013.12.13 (Fri)
標高1500メートル付近の湧き水の池
日陰は夏でも氷が張ってはいるけれど
周りの緑を映しこみ
空を飲み込み
池も空も深く青く


Lake of the Angels WA USA

透明な山の空気

2013.11.19 (Tue)
道中どれほど苦労をしても、山々の懐深くへと歩を進めて行く理由。
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山間の空気は、ハッとするほど透明だ。
山肌も空も雲も透明な空気に洗われて、たっぷりと太陽を楽しんでいる。

Home

2013.06.15 (Sat)
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ゴツゴツと険しい山肌を美しく覆う雪、大胆な影。地球は美しい星だ。

“I am Hope”, said the fairy. パンドラの箱から最後に解き放たれた妖精

2013.03.26 (Tue)
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In Greek mythology, Pandora is the one opened the box of spites, and all of the evils of the world were released.

ギリシャ神話で、開けてはいけないと言われていた災いの箱を開け、
世の中に災厄を放ってしまったのはパンドラです。

パンドラはあわてて箱のふたを閉じ、
その上に座り込みましたが、もう手遅れでした。
なんてことをしてしまったんだろうと嘆き、うめくパンドラが座っている箱のなかから、
何かが聞こえてきます。

「ここから出して」小さな声が伝えています。
パンドラはもう一度だけ、箱を開けてみることにしました。
すると、箱から出てきたのは小さな妖精。

「私は『希望』です」妖精は言いました。

「たしかにあなたは、ありとあらゆる災害の種をばらまいてしまった。それは事実だけれど、でも、あなたは私のことも解き放ってくれました」

妖精は続けます。
「私は『希望』。災いと戦う強さを人類に授ける存在です」

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空に向かう枝

2013.02.28 (Thu)
「ことば」というのは便利な道具ではあるけれど
道具のいらない瞬間……というのもまた、すてきなものだ。

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雪を抱いて、まるで満開の花を湛えているように見える木。
あるったけの枝を空へ、空へ、と向かわせているのは、
それでも、春を信じて待ちこがれつつ、極寒を耐え忍ぶ命の力。

……皆さまの毎日がすてきな日々でありますように。
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